結果はっぴょーウサ!!
こんにちはー。Mr.さくらんぼですウサ。
さーてさて!
皆さん宛の夏休みの宿題にしていた『ソラユメ』&『神さまと恋ゴコロ』キャラ投票、
集計が終わったみたいなので結果をはっぴょーします!!!
『ソラユメ』
1位 御剣 暁
2位 餘部 透
3位 山瀬勇人
4位 朝峰涼志
5位 ルーエン
6位 水窪一真
『神さまと恋ゴコロ』
1位 笠原誠司
2位 辻宮兼我
3位 東條 昴
4位 日渡奏良
5位 如月征都
6位 高梨久遠
たくさんの投票ご協力、ありがとーございました!
この結果は、何か……秋のイベントとか何とかにアヅアヅ先生が何とかって
スタッフがこっそり話しているのを聞きましたウサ!
楽しみに待っていたらきっとイイことがあると思います。
続報をお楽しみに!
そして、見事1位に輝いたお2人にコメントをもらいましたウサ!
続きから、どーぞ!!
//------------------------------------------------------
投票してくれてどうもありがとう。
俺のずるいところを知った上で好きになってくれたのかな?
もしそうだとしたら、君の覚悟がちょっと見えるかな。
だって、普通に考えたら秘密が多くて何も言ってくれない男となんて幸せになれないしね。
……それとも火遊びの相手として選んでくれたのかな?
まあ、それは後で聞くことにするよ。
基本的にはあんまり人を信用してなかったりするから、
『好き』って言われても俺、それを信じられるかどうかちょっと不安だけど……。
でもそんな考えを吹き飛ばしてくれるくらい、君のことを心から信用できるくらい、
君が色々頑張ってくれるんだよね?
俺、その日を楽しみに待ってるから。
……君の事しか考えられないような俺にしてね?
それじゃあまた。
御剣暁
//------------------------------------------------------
//------------------------------------------------------
投票をしてくれた君へ。どうもありがとう。
名前を呼ぶことが出来なくてごめんね。
さて、恒例の漢字間違いチェックから伝えようかな。
結果……間違いはありませんでした。良く頑張ったね。
でも、少しだけ残念だな。
間違えてくれたら堂々と生徒会室に呼び出せたのに……。
なんて、ごめん。僕が君を独り占めしたいっていう我が侭だね。
投票期間中、君が他の誰かを見ているんじゃないかってドキドキしてた。
気付かなかったなら良かったんだけど……だって、格好悪いじゃない。
そういう所、好きな子には見せたくないんです。
僕ね、今回のことはとても良い経験になったよ。
君が他の誰かを見ることがないように、もっともっと頑張らないといけないって思ったんだ。
だから、楽しみにしていて? 僕が君を想って、毎日ドキドキしていたように……ね。
大好きだよ。
どうかこの想いが、君に届きますように――。
笠原誠司
//------------------------------------------------------
【Vita化記念!キャラ人気投票】結果発表
●ソラユメ 1位 御剣 暁
●神さまと恋ゴコロ 1位 笠原 誠司
山瀬 「へー、1位は暁さんかー」
餘部 「ボク、マロンが食べたいな~」
兼我 「…………」
昴 「け、兼我さん。そんなに睨んでも順位は変わりませんよ?」
兼我 「うっせーな。……分かってるよ、んなことくらい」
山瀬 「あ、こんにちはー」
昴 「え? あ……こ、こんにちは?」
昴 (えっと、誰だろ? 制服着てるし、高校生かな?)
兼我 「…………」
兼我 (この制服、確か美穂呂高校だったか?)
兼我 (つーか、もう一人は手に栗持って何してんだ……?)
餘部 「そこの身長でかいメガネの子、なんか凄い嫌そうな顔してるけどどうしたの?」
兼我 (しかも俺の認識メガネかよ。つか、東條もメガネじゃね?)
餘部 「あ、キミもマロンが好きなの?」
兼我 「あ? まあ……嫌いじゃねーけど」
兼我 (好きとか嫌いとかの問題じゃなくて、何でナチュラルに栗持ってんだよ……って聞きてー)
餘部 「……?」
兼我 (だけど、何だろう。俺の中の何かが言っている……関わるな、と)
山瀬 「とりあえず初めまして! 俺、山瀬勇人っていいます。高校二年です」
餘部 「ボクはね、神さまだよ!」
兼我 「…………は?」
昴 「か……かみ、さま??」
山瀬 「あ、こっちの赤髪の人のことはあんまり気にしないでください」
昴 「そ、そうですか? ……えっと、俺は東條昴、高二! で、こっちが」
兼我 「…………」
昴 「け、兼我さん……」
兼我 「……辻宮兼我。高三」
山瀬 「よろしくお願いします」
餘部 「ねえ、マロン食べていい?」
山瀬 「因みにこの栗に異常なまでの執着を見せる人は餘部透先輩です」
餘部 「で、ボクらは何でここにいるのかな?」
昴 「ええっと。あの、これじゃないですか? 人気投票……の、結果発表って書いてありますし」
兼我 「ん? 何か小さく書いてあるな。……“1位の人について語って下さい”?」
昴 「へえ! 何だか面白そう!」
山瀬 「じゃあ、早速ですけどそちらの1位、笠原さんについて教えてもらえます?」
兼我 「やな奴」
山瀬 「え、酷い」
昴 「兼我さんってば。……えっと、誠司は生徒会長で、寮長で、学年トップ成績のミスターパーフェクトです」
山瀬 「へえ、凄い!」
兼我 「すごくねえっつーの。大体、権力振りかざして圧力掛けて来るような奴だぞ? ……やな野郎だぜ、マジで」
山瀬 「え、そうなんスか?」
昴 「で、彼の大親友が……えっへへー! この俺! 東條昴でーっす!!」
兼我 「聞いてねえし。……で? そっちの御剣ってのは?」
餘部 「糸目だね」
昴 「え、酷い」
山瀬 「ああ、ええと、スペック高い人っスよ。いろんなことにおいて」
昴 「あ……うちのと似てますね!」
兼我 「うちの……って」
昴 「やっぱり何でも出来る人って人気なんですかね? あーあ、俺も女の子にモテたーい!!」
餘部 「ボクも何でもできるよ! しちゃいけないけど!」
兼我 (“しちゃいけない”……?)
昴 「? 何だかそちらもすごそうですね」
昴 「でも、それだけハイスペックな人だと、恋のライバルになった時に大変そうですね」
山瀬 「え、恋のライバル? 暁さんが?」
昴 「可能性としては、あるでしょう?」
山瀬 「え? いや……え? そ、そういう風に考えたこと全くなかったけど?」
兼我 (恋のライバルねえ……ま、俺は誠司なんかに負けねぇけどな)
餘部 「そこの大メガネのキミさ、心の中で考えるなら口に出しなよ」
兼我 「なっ……大メガネ、だと!? 俺のメガネを馬鹿にすんなら表出ろ」
昴 「お、落ち着いて兼我さん! 今、良い所なんです!」
兼我 「……え?」
昴 「山瀬くんは、今生まれて初めて、恋のライバルについて考えたんですよ!」
昴 「あいつと俺は友達! でも、もし同じ人を好きになって、彼女のことを取り合うことになったら……!?」
昴 「友情と愛情、どっちが大事なの!? お、俺はっ……!!!!」
兼我 「いや、お前の話はどうでも良いし。……で、山瀬? だっけ? ……どうなの?」
山瀬 「いや……東條君、良くしゃべるなぁ……って」
昴 「…………え? 感想それだけ?」
昴 (ああ、またやっちゃったかな。やっぱり俺って人との距離測るの苦手かも)
昴 (女の子相手だったら、あんまり失敗しないんだけどなぁ……)
昴 「ごめん、ごめん! じゃ、違う話しよっか!」
餘部 「そうそう、マロンの話とかね」
兼我 「栗!? つか、最初からずっと思ってたんだけど、何でお前栗持ってんの!?」
山瀬 「つ、辻宮先輩落ち着いて!」
山瀬 (なんだろう……話をまとめる立場の人間がいない空間って無法地帯だな……)
山瀬 「……あの、とりあえず話進めない? 東條君」
昴 「あ、そ、そうですね。……えーっと、じゃあ山瀬くんの好きな人って誰ですか?」
餘部 「え、ボクの?」
兼我 (何でお前なんだよ!!)
昴 「え? いや、あの……や、山瀬くんの……」
餘部 「大メガネのキミさ、声に出しなよ声に」
兼我 「栗野郎、だからてめーには聞いてねえんだよ、あと栗しまえ!」
山瀬 「……うん、とりあえず一度仕切りなおししませんか?」
昴 「あ……是非」
~暫くお待ちください~
昴 「1時間、俺たちは何をしていたんだろう……」
征都 「……東條さん」
昴 「あれ? 征都くん、どうしたの??」
征都 「兼我が交代して欲しいって……栗はもう沢山って、言ってました」
昴 「え? そ、そうなの?」
昴 「ええと、向こうの人たちの情報は聞いて来た?」
征都 「山瀬さんと……栗」
昴 「うん。山瀬くんと、餘部さんだね!」
征都 「あと…………糸目」
昴 「御剣さんね? 良い? 糸目って言っちゃ駄目」
征都 「? 分かりました」
~暫くお待ちください・終~
山瀬 「さて、再開しましょうか!」
昴 「再開=山瀬くんの恋話になりますが」
山瀬 「よくない」
餘部 「あれ? あの大メガネの子がいないんだけど?」
昴 「ああ、兼我さんなら帰りました。もうお腹いっぱいだそうです」
山瀬 「あれ、あの電柱の影にいる子は?」
昴 「あ、征都くん! こっちおいで!!」
征都 「…………良いんですか?」
山瀬 「いいよ全然! こっち来なよ!」
餘部 「マロンあげるよー」
征都 「え? あ、ありがとうございます。お邪魔します」
山瀬 「で、君の名前は?」
餘部 「マロ山マロ男君だよね」
征都 「え」
餘部 「え、違うの?」
征都 「あ……はい。如月征都です」
征都 「兼我の……その、代理で」
山瀬 「この人は気にしなくていいよ? よろしくな、如月君!」
征都 「あ、はい。よろしくお願いします。……ええと、山瀬さん?」
山瀬 「あれ、如月君はいくつ?」
征都 「高校1年です」
山瀬 「あ、じゃあ俺の方が先輩なんだな。なあ、とりあえずなんかよそよそしいから、昴と征都って呼んでもいいか?」
餘部 「いいよー」
昴 (え? ……ま、まあ良いか)
昴 「良いですよ」
征都 「はい、山瀬さん」
山瀬 「なんだよ昴、お前俺とタメだろ?」
昴 「え! あ……ああ、ありがとう! それじゃあ、勇人って呼ばせて貰うね」
昴 「俺、友達少ないから、嬉しいな」
征都 (……友達……)
餘部 「ボクのことはおせんべい先輩って呼んでも良いよ!」
昴 (何だか逆に壁を感じるような……)
昴 「じゃ、じゃあ! おせんべい先輩、よろしくお願いします!」
征都 (栗……おせんべい……)
餘部 「よろしくね、小メガネ!」
山瀬 「えっと……じゃあ、なんかさっきよりは随分空気が落ち着いたから、本題に戻ろうか」
昴 「そうだね」
山瀬 「あ、昴はもう話脱線させんなよ?」
昴 「オッケー! じゃあ、まずは御剣さんについての情報をちょうだい!」
餘部 「糸目」
昴 「ほ、他には?」
山瀬 「頭がすっげーいいよ。三条大学って国立大に通ってる」
昴 「へえ、大学生なんだね! 車の免許とか持ってるの?」
山瀬 「バイクの免許は持ってたっけな?」
征都 「……格好良いですね」
山瀬 「な! カッコいいよな。俺も欲しいなぁ」
昴 「じゃあじゃあ、好きな女の子のタイプとかってあるのかな」
山瀬 「え? どうだろう、そういう話って良く考えたらしたことないなぁ」
昴 「そうなの? じゃあ代わりに、勇人の好きな女の子のタイプは?」
山瀬 「おい、さっき約束したこと忘れんなよ! つーか、分かっててやってんだろお前」
昴 「なんのことー? すばる、わかんない」
餘部 「ねえねえ、そっちの子。マロン食べる?」
征都 「え? あの……」
昴 「おせんべい先輩、今良いところだから邪魔しないで下さ~い」
餘部 「いやいや、そっちはそっちでやってていいよ? ボクらマロン食べてるから」
征都 (……栗……)
山瀬 「あの、先輩。どこからその枝やら葉っぱやらを持ってきたんですか?」
餘部 「山からだよ? これから焚き火して焼きマロンを……」
昴 「おい勇人、逃げんなよー」
山瀬 「いや、とりあえず餘部先輩どうにかしてからにしようぜ? とりあえず」
征都 (いがいがしてる……)
餘部 「あ、ダメダメ。それまだ食べられないよ? 焼かないと」
昴 「征都くん、危ないから触っちゃ駄目」
山瀬 「餘部先輩、とりあえず焚き火は後にしませんか……? って火をつけ始めた……」
征都 (……あったかい……)
山瀬 「征都、いいんだぞ? 何も律儀に焚き火見守んなくても……」
征都 「あ、大丈夫です。もし消えたら栗が焼けないですし……」
昴 「いやいや、焼かなくて良いから!」
山瀬 「え、もしかして征都食べる気なの?」
餘部 「もちろん食べるよ!」
昴 「分かりました。おせんべい先輩は栗食べてて下さい」
昴 「征都くん、こうなったら誠司について語ろう」
山瀬 「あ、頼むわそっちの方向で」
昴 「分かった! 俺の大親友の誠司くんは、いっつも沢山のお友達に囲まれています」
昴 「頼りになる誠司くん、人気者! ……対照的に、俺はクラスの奴とあまり仲が良くなくて……先生との相性も最悪」
昴 「まあ、色々あって屋上が俺のホームな訳です。すると、ついつい授業をサボっちゃう」
昴 「……だけどさ、あいつ俺のこと迎えに来てくれるんだよね。色々文句は多いんだけど」
昴 「って……あれ? 何か結局俺の話になってるかも……あはは、伝わった?」
征都 「お二人は、とても仲が良いんですね」
昴 「うん! ……って、俺は思ってるんだけどね」
昴 「って、何か恥ずかしいな。勇人と御剣さんのエピソードは、どんな感じ?」
山瀬 「うん、いいエピソード語ってもらった後でなんだけど、そういう感じの話はないんだよな……」
山瀬 「……一番思い出深いのは、スカートの件、かな」
征都 「……スカート?」
山瀬 「ああ。いや……面白くない話なんだけどさ」
昴 「聞かせて、聞かせて!」
山瀬 「マジで? ええっと……」
山瀬 「……幼馴染の子がさ、ショートカットだったんだけどな? ズボンはいて表に出たら男の子に間違えられたって拗ねてて」
昴 「うん」
山瀬 「……あー、ちょっと上手くまとめらんねぇな……まあ、いろいろあって俺にスカート履けって言ってきたんだよ」
昴 「その女の子が?」
山瀬 「そう。で、当然拒否するだろ? 男としては」
昴 「まあね」
山瀬 「つか好きな女の前で誰がスカート履きたがるよって話なんだけど」
餘部 「ねえ、ボクのマロン知らない?」
征都 「はい、これです」
餘部 「わあ、剥いてくれたの? ありがとー」
征都 「熱いので気を付けて下さい」
餘部 「もぐもぐもぐ……あー、やっぱり焼きマロンは美味しいなあ、キミも食べなよ」
征都 「あ……でも、山瀬さんのお話が」
山瀬 「あ、いや、栗タイムを潰すのも偲びないし、食ってていいよ?」
山瀬 「どうせ大したオチも無いし……」
昴 「……え? で、スカートを履いてどうしたの?」 (スカートを着用して)
山瀬 「え……っと? 何故お前は突然スカートを履いてんの?」
昴 「履いたらお前の気持ちが分かるかと思って」
山瀬 「お前……突然カオスだよ? 展開が。どうしてくれんの……」
昴 「うん、ごめん。俺友達少ないから……」
山瀬 (あっ……やばい、ナイーブな展開に……)
征都 「すみません。東條さん、本気なんです」
餘部 「そうだよ、彼は彼なりに場を盛り上げてかつキミの気持ちになってくれようとしたのに、もう少し言い方なかったの?」
山瀬 「え……あ……ええと、ご、ごめんな昴!」
昴 「いや、良いんだ。俺がスカートなんて履いたから……ごめんっ!!!!」
征都 「あ……」
山瀬 「昴! ……悪い、ちょっと昴追いかけてくるわ」
餘部 「いってらっしゃーい」
征都 「お願いします、山瀬さん」
山瀬 「おう!」
餘部 「……で、何をするんだっけ?」
征都 「ええと……おせんべい先輩は、御剣さんとはどういう関係ですか?」
餘部 「え? ボクあんまその御剣って人知らないんだよねえ。糸目ってことしか」
征都 「そうなんですか……」
征都 「………………」
征都 「…………」
餘部 「おせんべいたべる?」
征都 「……あの」
餘部 「うん、なに?」
征都 「あ、いえ。……おせんべい、いただきます」
餘部 「うん。じゃあ、一緒にマロンティー淹れてあげるね!」
征都 「え? あ……ありがとうございます……」
暁 「……ねえ、あれどうする? 収集つかない感じになってるよ?」
誠司 「……良いんじゃないですか?」
暁 「放置するの? でも君さ、征都君と割かし仲がいいんでしょう? あれ可愛そうに思わないの?」
誠司 「如月は上手くやっているので大丈夫ですよ。……問題は」
昴 「うわあああん! やっぱり俺に友達なんて出来っこないんだああああ!!!!」
誠司 「…………はあ」
暁 「大変だねえ、保護者は」
誠司 「あなたこそ、山瀬くん……でしたっけ? 彼、困ってるんじゃないですか?」
山瀬 「あ、暁さん! 丁度良かった、そいつ捕まえてください!!」
暁 「だって、誠司君」
誠司 「え? 僕ですか?」
誠司 「いやですよ」
暁 「酷いなぁ」
山瀬 「ちょ、なにそこ笑ってんスか!」
昴 「うわああああん!! うわああああああん!!!!」
餘部 「何だろうねぇ。友達なんてさ、いつの間にかなってるものなのに、そんなに拘ることかなぁ?」
征都 (……ともだち……)
餘部 「キミにも友達はいるよね?」
征都 「…………はい」
餘部 「友達になろうって言って、なった?」
征都 「………………」
餘部 「あれ、そういうなり方したのかな? ……まあ、それもありだよね」
山瀬 「ちょっとほのぼの! ほのぼのする前にそいつ止めて!!」
暁 「ほら、誠司君」
征都 (……兼我……久遠……)
誠司 「仕方ないですね。…………昴!」
昴 「はっ! 誠司!?」
山瀬 「あ、止まった」
昴 「あれ? 何でお前ここにいんの? つか、俺何してたの??」
誠司 「さあね」
餘部 「あ、ボクそろそろ帰らなきゃ。部室にあの子がくるからさ」
征都 「……あの子?」
餘部 「そうだよ? お菓子が大好きな子がくるんだ」
征都 「そうですか。……それじゃあ、俺たちもそろそろ……」
昴 「ねえねえ誠司! これみて、栗!!」
誠司 「……はい?」
餘部 「あ、それお友達になった記念にあげるよ」
昴 「え……!」
誠司 「…………昴、不快だからその顔やめて」
山瀬 「お、皆帰るんだな。昴に征都、また遊ぼうぜ!」
昴 「勇人……ぜ、絶対だからな!!」
山瀬 「おう! ええっと……そっちの、昴の友達?」
誠司 「……もしかして僕ですか?」
山瀬 「そう。あのさ、もうちょっと昴を大事にしてやってな?」
誠司 「昴を? 彼はただの知人なんですけどね」
昴 「酷っ!」
誠司 「まあ、迷惑を掛けられたら困るので……仕方ないから迎えには来ますけど」
山瀬 「おう、頼むな!」
暁 「で、勇人君は俺のこと華麗にスルー?」
山瀬 「あ、こんちは暁さん」
兼我 「おーい、征都。そろそろ帰るぞ」
征都 「……兼我!」
餘部 「じゃあまたね。次に会った時はマロンせんべいあげるから」
征都 「おせんべい先輩、今日はありがとうございました」
餘部 「いえいえ」
兼我 (栗野郎と仲良くなったのか……)
兼我 「征都が世話になったな。……まあ、なんつーか、色々悪かった」
餘部 「あれ、彼ってキミのお友達なの?」
征都 「……はい!」
餘部 「そっか。友達は大事にね?」
兼我 「俺はいつでも大事にしてるっつーの。ってことで、帰るぞ、征都」
征都 「ああ。……さようなら、おせんべい先輩」
餘部 「またねー」
山瀬 「征都またなー!」
征都 「はい。さようなら、山瀬さん」
山瀬 「おう!」
餘部 「じゃ、ボクもバイバーイ!」
山瀬 「お疲れ様でしたー」
山瀬 (台風が去った……)
昴 「じゃあ、勇人。またね!」
山瀬 「またな、昴」
誠司 「……“友達”が出来て良かったですね?」
昴 「えっへへー! 良いでしょ? 勇人ってねー、超やさしーんだよー」
誠司 「……ふーん……」
誠司 「…………」
昴 「あ! ちょっと待ってよ! 置いてかないでってばー!! 誠司ー!!!!」
暁 「……ところでさ、勇人君」
山瀬 「ええ、何スか? 暁さん」
暁 「スカートの件、もしかしてトラウマになってるの?」
山瀬 「え? いや……まあ、それほどでも無いですけど、確実に記憶には残ってますね」
山瀬 「……って、もしかして俺らの話聞いてたんスか?」
暁 「うん。楽しそうだったね」
山瀬 「いやいや、そんな満面の笑みされても……出てきてくださいよ……」
暁 「それよりごめんね? やっぱりあの時俺が履いてれば良かったね、スカート」
山瀬 「! い、いえ! あの、俺が履くって言ったんですから、それは全然」
暁 「彼女のために?」
山瀬 「…………」
山瀬 「……からかってるんスか?」
暁 「え? 違うってば。……あ、そういえばそろそろ薬の配達時間じゃない?」
山瀬 「あ、やっべ! すみません暁さん、それじゃあ失礼します!」
暁 「転ばないように気をつけてねー」
山瀬 「はいっ!」
暁 「それにしても彼女、色んな人に愛されてるんだなぁ」
暁 「……ふふ。独り占めするにはちょっと時間がかかりそうかも」
end.
さーてさて!
皆さん宛の夏休みの宿題にしていた『ソラユメ』&『神さまと恋ゴコロ』キャラ投票、
集計が終わったみたいなので結果をはっぴょーします!!!
『ソラユメ』
1位 御剣 暁
2位 餘部 透
3位 山瀬勇人
4位 朝峰涼志
5位 ルーエン
6位 水窪一真
『神さまと恋ゴコロ』
1位 笠原誠司
2位 辻宮兼我
3位 東條 昴
4位 日渡奏良
5位 如月征都
6位 高梨久遠
たくさんの投票ご協力、ありがとーございました!
この結果は、何か……秋のイベントとか何とかにアヅアヅ先生が何とかって
スタッフがこっそり話しているのを聞きましたウサ!
楽しみに待っていたらきっとイイことがあると思います。
続報をお楽しみに!
そして、見事1位に輝いたお2人にコメントをもらいましたウサ!
続きから、どーぞ!!
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投票してくれてどうもありがとう。
俺のずるいところを知った上で好きになってくれたのかな?
もしそうだとしたら、君の覚悟がちょっと見えるかな。
だって、普通に考えたら秘密が多くて何も言ってくれない男となんて幸せになれないしね。
……それとも火遊びの相手として選んでくれたのかな?
まあ、それは後で聞くことにするよ。
基本的にはあんまり人を信用してなかったりするから、
『好き』って言われても俺、それを信じられるかどうかちょっと不安だけど……。
でもそんな考えを吹き飛ばしてくれるくらい、君のことを心から信用できるくらい、
君が色々頑張ってくれるんだよね?
俺、その日を楽しみに待ってるから。
……君の事しか考えられないような俺にしてね?
それじゃあまた。
御剣暁
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投票をしてくれた君へ。どうもありがとう。
名前を呼ぶことが出来なくてごめんね。
さて、恒例の漢字間違いチェックから伝えようかな。
結果……間違いはありませんでした。良く頑張ったね。
でも、少しだけ残念だな。
間違えてくれたら堂々と生徒会室に呼び出せたのに……。
なんて、ごめん。僕が君を独り占めしたいっていう我が侭だね。
投票期間中、君が他の誰かを見ているんじゃないかってドキドキしてた。
気付かなかったなら良かったんだけど……だって、格好悪いじゃない。
そういう所、好きな子には見せたくないんです。
僕ね、今回のことはとても良い経験になったよ。
君が他の誰かを見ることがないように、もっともっと頑張らないといけないって思ったんだ。
だから、楽しみにしていて? 僕が君を想って、毎日ドキドキしていたように……ね。
大好きだよ。
どうかこの想いが、君に届きますように――。
笠原誠司
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【Vita化記念!キャラ人気投票】結果発表
●ソラユメ 1位 御剣 暁
●神さまと恋ゴコロ 1位 笠原 誠司
山瀬 「へー、1位は暁さんかー」
餘部 「ボク、マロンが食べたいな~」
兼我 「…………」
昴 「け、兼我さん。そんなに睨んでも順位は変わりませんよ?」
兼我 「うっせーな。……分かってるよ、んなことくらい」
山瀬 「あ、こんにちはー」
昴 「え? あ……こ、こんにちは?」
昴 (えっと、誰だろ? 制服着てるし、高校生かな?)
兼我 「…………」
兼我 (この制服、確か美穂呂高校だったか?)
兼我 (つーか、もう一人は手に栗持って何してんだ……?)
餘部 「そこの身長でかいメガネの子、なんか凄い嫌そうな顔してるけどどうしたの?」
兼我 (しかも俺の認識メガネかよ。つか、東條もメガネじゃね?)
餘部 「あ、キミもマロンが好きなの?」
兼我 「あ? まあ……嫌いじゃねーけど」
兼我 (好きとか嫌いとかの問題じゃなくて、何でナチュラルに栗持ってんだよ……って聞きてー)
餘部 「……?」
兼我 (だけど、何だろう。俺の中の何かが言っている……関わるな、と)
山瀬 「とりあえず初めまして! 俺、山瀬勇人っていいます。高校二年です」
餘部 「ボクはね、神さまだよ!」
兼我 「…………は?」
昴 「か……かみ、さま??」
山瀬 「あ、こっちの赤髪の人のことはあんまり気にしないでください」
昴 「そ、そうですか? ……えっと、俺は東條昴、高二! で、こっちが」
兼我 「…………」
昴 「け、兼我さん……」
兼我 「……辻宮兼我。高三」
山瀬 「よろしくお願いします」
餘部 「ねえ、マロン食べていい?」
山瀬 「因みにこの栗に異常なまでの執着を見せる人は餘部透先輩です」
餘部 「で、ボクらは何でここにいるのかな?」
昴 「ええっと。あの、これじゃないですか? 人気投票……の、結果発表って書いてありますし」
兼我 「ん? 何か小さく書いてあるな。……“1位の人について語って下さい”?」
昴 「へえ! 何だか面白そう!」
山瀬 「じゃあ、早速ですけどそちらの1位、笠原さんについて教えてもらえます?」
兼我 「やな奴」
山瀬 「え、酷い」
昴 「兼我さんってば。……えっと、誠司は生徒会長で、寮長で、学年トップ成績のミスターパーフェクトです」
山瀬 「へえ、凄い!」
兼我 「すごくねえっつーの。大体、権力振りかざして圧力掛けて来るような奴だぞ? ……やな野郎だぜ、マジで」
山瀬 「え、そうなんスか?」
昴 「で、彼の大親友が……えっへへー! この俺! 東條昴でーっす!!」
兼我 「聞いてねえし。……で? そっちの御剣ってのは?」
餘部 「糸目だね」
昴 「え、酷い」
山瀬 「ああ、ええと、スペック高い人っスよ。いろんなことにおいて」
昴 「あ……うちのと似てますね!」
兼我 「うちの……って」
昴 「やっぱり何でも出来る人って人気なんですかね? あーあ、俺も女の子にモテたーい!!」
餘部 「ボクも何でもできるよ! しちゃいけないけど!」
兼我 (“しちゃいけない”……?)
昴 「? 何だかそちらもすごそうですね」
昴 「でも、それだけハイスペックな人だと、恋のライバルになった時に大変そうですね」
山瀬 「え、恋のライバル? 暁さんが?」
昴 「可能性としては、あるでしょう?」
山瀬 「え? いや……え? そ、そういう風に考えたこと全くなかったけど?」
兼我 (恋のライバルねえ……ま、俺は誠司なんかに負けねぇけどな)
餘部 「そこの大メガネのキミさ、心の中で考えるなら口に出しなよ」
兼我 「なっ……大メガネ、だと!? 俺のメガネを馬鹿にすんなら表出ろ」
昴 「お、落ち着いて兼我さん! 今、良い所なんです!」
兼我 「……え?」
昴 「山瀬くんは、今生まれて初めて、恋のライバルについて考えたんですよ!」
昴 「あいつと俺は友達! でも、もし同じ人を好きになって、彼女のことを取り合うことになったら……!?」
昴 「友情と愛情、どっちが大事なの!? お、俺はっ……!!!!」
兼我 「いや、お前の話はどうでも良いし。……で、山瀬? だっけ? ……どうなの?」
山瀬 「いや……東條君、良くしゃべるなぁ……って」
昴 「…………え? 感想それだけ?」
昴 (ああ、またやっちゃったかな。やっぱり俺って人との距離測るの苦手かも)
昴 (女の子相手だったら、あんまり失敗しないんだけどなぁ……)
昴 「ごめん、ごめん! じゃ、違う話しよっか!」
餘部 「そうそう、マロンの話とかね」
兼我 「栗!? つか、最初からずっと思ってたんだけど、何でお前栗持ってんの!?」
山瀬 「つ、辻宮先輩落ち着いて!」
山瀬 (なんだろう……話をまとめる立場の人間がいない空間って無法地帯だな……)
山瀬 「……あの、とりあえず話進めない? 東條君」
昴 「あ、そ、そうですね。……えーっと、じゃあ山瀬くんの好きな人って誰ですか?」
餘部 「え、ボクの?」
兼我 (何でお前なんだよ!!)
昴 「え? いや、あの……や、山瀬くんの……」
餘部 「大メガネのキミさ、声に出しなよ声に」
兼我 「栗野郎、だからてめーには聞いてねえんだよ、あと栗しまえ!」
山瀬 「……うん、とりあえず一度仕切りなおししませんか?」
昴 「あ……是非」
~暫くお待ちください~
昴 「1時間、俺たちは何をしていたんだろう……」
征都 「……東條さん」
昴 「あれ? 征都くん、どうしたの??」
征都 「兼我が交代して欲しいって……栗はもう沢山って、言ってました」
昴 「え? そ、そうなの?」
昴 「ええと、向こうの人たちの情報は聞いて来た?」
征都 「山瀬さんと……栗」
昴 「うん。山瀬くんと、餘部さんだね!」
征都 「あと…………糸目」
昴 「御剣さんね? 良い? 糸目って言っちゃ駄目」
征都 「? 分かりました」
~暫くお待ちください・終~
山瀬 「さて、再開しましょうか!」
昴 「再開=山瀬くんの恋話になりますが」
山瀬 「よくない」
餘部 「あれ? あの大メガネの子がいないんだけど?」
昴 「ああ、兼我さんなら帰りました。もうお腹いっぱいだそうです」
山瀬 「あれ、あの電柱の影にいる子は?」
昴 「あ、征都くん! こっちおいで!!」
征都 「…………良いんですか?」
山瀬 「いいよ全然! こっち来なよ!」
餘部 「マロンあげるよー」
征都 「え? あ、ありがとうございます。お邪魔します」
山瀬 「で、君の名前は?」
餘部 「マロ山マロ男君だよね」
征都 「え」
餘部 「え、違うの?」
征都 「あ……はい。如月征都です」
征都 「兼我の……その、代理で」
山瀬 「この人は気にしなくていいよ? よろしくな、如月君!」
征都 「あ、はい。よろしくお願いします。……ええと、山瀬さん?」
山瀬 「あれ、如月君はいくつ?」
征都 「高校1年です」
山瀬 「あ、じゃあ俺の方が先輩なんだな。なあ、とりあえずなんかよそよそしいから、昴と征都って呼んでもいいか?」
餘部 「いいよー」
昴 (え? ……ま、まあ良いか)
昴 「良いですよ」
征都 「はい、山瀬さん」
山瀬 「なんだよ昴、お前俺とタメだろ?」
昴 「え! あ……ああ、ありがとう! それじゃあ、勇人って呼ばせて貰うね」
昴 「俺、友達少ないから、嬉しいな」
征都 (……友達……)
餘部 「ボクのことはおせんべい先輩って呼んでも良いよ!」
昴 (何だか逆に壁を感じるような……)
昴 「じゃ、じゃあ! おせんべい先輩、よろしくお願いします!」
征都 (栗……おせんべい……)
餘部 「よろしくね、小メガネ!」
山瀬 「えっと……じゃあ、なんかさっきよりは随分空気が落ち着いたから、本題に戻ろうか」
昴 「そうだね」
山瀬 「あ、昴はもう話脱線させんなよ?」
昴 「オッケー! じゃあ、まずは御剣さんについての情報をちょうだい!」
餘部 「糸目」
昴 「ほ、他には?」
山瀬 「頭がすっげーいいよ。三条大学って国立大に通ってる」
昴 「へえ、大学生なんだね! 車の免許とか持ってるの?」
山瀬 「バイクの免許は持ってたっけな?」
征都 「……格好良いですね」
山瀬 「な! カッコいいよな。俺も欲しいなぁ」
昴 「じゃあじゃあ、好きな女の子のタイプとかってあるのかな」
山瀬 「え? どうだろう、そういう話って良く考えたらしたことないなぁ」
昴 「そうなの? じゃあ代わりに、勇人の好きな女の子のタイプは?」
山瀬 「おい、さっき約束したこと忘れんなよ! つーか、分かっててやってんだろお前」
昴 「なんのことー? すばる、わかんない」
餘部 「ねえねえ、そっちの子。マロン食べる?」
征都 「え? あの……」
昴 「おせんべい先輩、今良いところだから邪魔しないで下さ~い」
餘部 「いやいや、そっちはそっちでやってていいよ? ボクらマロン食べてるから」
征都 (……栗……)
山瀬 「あの、先輩。どこからその枝やら葉っぱやらを持ってきたんですか?」
餘部 「山からだよ? これから焚き火して焼きマロンを……」
昴 「おい勇人、逃げんなよー」
山瀬 「いや、とりあえず餘部先輩どうにかしてからにしようぜ? とりあえず」
征都 (いがいがしてる……)
餘部 「あ、ダメダメ。それまだ食べられないよ? 焼かないと」
昴 「征都くん、危ないから触っちゃ駄目」
山瀬 「餘部先輩、とりあえず焚き火は後にしませんか……? って火をつけ始めた……」
征都 (……あったかい……)
山瀬 「征都、いいんだぞ? 何も律儀に焚き火見守んなくても……」
征都 「あ、大丈夫です。もし消えたら栗が焼けないですし……」
昴 「いやいや、焼かなくて良いから!」
山瀬 「え、もしかして征都食べる気なの?」
餘部 「もちろん食べるよ!」
昴 「分かりました。おせんべい先輩は栗食べてて下さい」
昴 「征都くん、こうなったら誠司について語ろう」
山瀬 「あ、頼むわそっちの方向で」
昴 「分かった! 俺の大親友の誠司くんは、いっつも沢山のお友達に囲まれています」
昴 「頼りになる誠司くん、人気者! ……対照的に、俺はクラスの奴とあまり仲が良くなくて……先生との相性も最悪」
昴 「まあ、色々あって屋上が俺のホームな訳です。すると、ついつい授業をサボっちゃう」
昴 「……だけどさ、あいつ俺のこと迎えに来てくれるんだよね。色々文句は多いんだけど」
昴 「って……あれ? 何か結局俺の話になってるかも……あはは、伝わった?」
征都 「お二人は、とても仲が良いんですね」
昴 「うん! ……って、俺は思ってるんだけどね」
昴 「って、何か恥ずかしいな。勇人と御剣さんのエピソードは、どんな感じ?」
山瀬 「うん、いいエピソード語ってもらった後でなんだけど、そういう感じの話はないんだよな……」
山瀬 「……一番思い出深いのは、スカートの件、かな」
征都 「……スカート?」
山瀬 「ああ。いや……面白くない話なんだけどさ」
昴 「聞かせて、聞かせて!」
山瀬 「マジで? ええっと……」
山瀬 「……幼馴染の子がさ、ショートカットだったんだけどな? ズボンはいて表に出たら男の子に間違えられたって拗ねてて」
昴 「うん」
山瀬 「……あー、ちょっと上手くまとめらんねぇな……まあ、いろいろあって俺にスカート履けって言ってきたんだよ」
昴 「その女の子が?」
山瀬 「そう。で、当然拒否するだろ? 男としては」
昴 「まあね」
山瀬 「つか好きな女の前で誰がスカート履きたがるよって話なんだけど」
餘部 「ねえ、ボクのマロン知らない?」
征都 「はい、これです」
餘部 「わあ、剥いてくれたの? ありがとー」
征都 「熱いので気を付けて下さい」
餘部 「もぐもぐもぐ……あー、やっぱり焼きマロンは美味しいなあ、キミも食べなよ」
征都 「あ……でも、山瀬さんのお話が」
山瀬 「あ、いや、栗タイムを潰すのも偲びないし、食ってていいよ?」
山瀬 「どうせ大したオチも無いし……」
昴 「……え? で、スカートを履いてどうしたの?」 (スカートを着用して)
山瀬 「え……っと? 何故お前は突然スカートを履いてんの?」
昴 「履いたらお前の気持ちが分かるかと思って」
山瀬 「お前……突然カオスだよ? 展開が。どうしてくれんの……」
昴 「うん、ごめん。俺友達少ないから……」
山瀬 (あっ……やばい、ナイーブな展開に……)
征都 「すみません。東條さん、本気なんです」
餘部 「そうだよ、彼は彼なりに場を盛り上げてかつキミの気持ちになってくれようとしたのに、もう少し言い方なかったの?」
山瀬 「え……あ……ええと、ご、ごめんな昴!」
昴 「いや、良いんだ。俺がスカートなんて履いたから……ごめんっ!!!!」
征都 「あ……」
山瀬 「昴! ……悪い、ちょっと昴追いかけてくるわ」
餘部 「いってらっしゃーい」
征都 「お願いします、山瀬さん」
山瀬 「おう!」
餘部 「……で、何をするんだっけ?」
征都 「ええと……おせんべい先輩は、御剣さんとはどういう関係ですか?」
餘部 「え? ボクあんまその御剣って人知らないんだよねえ。糸目ってことしか」
征都 「そうなんですか……」
征都 「………………」
征都 「…………」
餘部 「おせんべいたべる?」
征都 「……あの」
餘部 「うん、なに?」
征都 「あ、いえ。……おせんべい、いただきます」
餘部 「うん。じゃあ、一緒にマロンティー淹れてあげるね!」
征都 「え? あ……ありがとうございます……」
暁 「……ねえ、あれどうする? 収集つかない感じになってるよ?」
誠司 「……良いんじゃないですか?」
暁 「放置するの? でも君さ、征都君と割かし仲がいいんでしょう? あれ可愛そうに思わないの?」
誠司 「如月は上手くやっているので大丈夫ですよ。……問題は」
昴 「うわあああん! やっぱり俺に友達なんて出来っこないんだああああ!!!!」
誠司 「…………はあ」
暁 「大変だねえ、保護者は」
誠司 「あなたこそ、山瀬くん……でしたっけ? 彼、困ってるんじゃないですか?」
山瀬 「あ、暁さん! 丁度良かった、そいつ捕まえてください!!」
暁 「だって、誠司君」
誠司 「え? 僕ですか?」
誠司 「いやですよ」
暁 「酷いなぁ」
山瀬 「ちょ、なにそこ笑ってんスか!」
昴 「うわああああん!! うわああああああん!!!!」
餘部 「何だろうねぇ。友達なんてさ、いつの間にかなってるものなのに、そんなに拘ることかなぁ?」
征都 (……ともだち……)
餘部 「キミにも友達はいるよね?」
征都 「…………はい」
餘部 「友達になろうって言って、なった?」
征都 「………………」
餘部 「あれ、そういうなり方したのかな? ……まあ、それもありだよね」
山瀬 「ちょっとほのぼの! ほのぼのする前にそいつ止めて!!」
暁 「ほら、誠司君」
征都 (……兼我……久遠……)
誠司 「仕方ないですね。…………昴!」
昴 「はっ! 誠司!?」
山瀬 「あ、止まった」
昴 「あれ? 何でお前ここにいんの? つか、俺何してたの??」
誠司 「さあね」
餘部 「あ、ボクそろそろ帰らなきゃ。部室にあの子がくるからさ」
征都 「……あの子?」
餘部 「そうだよ? お菓子が大好きな子がくるんだ」
征都 「そうですか。……それじゃあ、俺たちもそろそろ……」
昴 「ねえねえ誠司! これみて、栗!!」
誠司 「……はい?」
餘部 「あ、それお友達になった記念にあげるよ」
昴 「え……!」
誠司 「…………昴、不快だからその顔やめて」
山瀬 「お、皆帰るんだな。昴に征都、また遊ぼうぜ!」
昴 「勇人……ぜ、絶対だからな!!」
山瀬 「おう! ええっと……そっちの、昴の友達?」
誠司 「……もしかして僕ですか?」
山瀬 「そう。あのさ、もうちょっと昴を大事にしてやってな?」
誠司 「昴を? 彼はただの知人なんですけどね」
昴 「酷っ!」
誠司 「まあ、迷惑を掛けられたら困るので……仕方ないから迎えには来ますけど」
山瀬 「おう、頼むな!」
暁 「で、勇人君は俺のこと華麗にスルー?」
山瀬 「あ、こんちは暁さん」
兼我 「おーい、征都。そろそろ帰るぞ」
征都 「……兼我!」
餘部 「じゃあまたね。次に会った時はマロンせんべいあげるから」
征都 「おせんべい先輩、今日はありがとうございました」
餘部 「いえいえ」
兼我 (栗野郎と仲良くなったのか……)
兼我 「征都が世話になったな。……まあ、なんつーか、色々悪かった」
餘部 「あれ、彼ってキミのお友達なの?」
征都 「……はい!」
餘部 「そっか。友達は大事にね?」
兼我 「俺はいつでも大事にしてるっつーの。ってことで、帰るぞ、征都」
征都 「ああ。……さようなら、おせんべい先輩」
餘部 「またねー」
山瀬 「征都またなー!」
征都 「はい。さようなら、山瀬さん」
山瀬 「おう!」
餘部 「じゃ、ボクもバイバーイ!」
山瀬 「お疲れ様でしたー」
山瀬 (台風が去った……)
昴 「じゃあ、勇人。またね!」
山瀬 「またな、昴」
誠司 「……“友達”が出来て良かったですね?」
昴 「えっへへー! 良いでしょ? 勇人ってねー、超やさしーんだよー」
誠司 「……ふーん……」
誠司 「…………」
昴 「あ! ちょっと待ってよ! 置いてかないでってばー!! 誠司ー!!!!」
暁 「……ところでさ、勇人君」
山瀬 「ええ、何スか? 暁さん」
暁 「スカートの件、もしかしてトラウマになってるの?」
山瀬 「え? いや……まあ、それほどでも無いですけど、確実に記憶には残ってますね」
山瀬 「……って、もしかして俺らの話聞いてたんスか?」
暁 「うん。楽しそうだったね」
山瀬 「いやいや、そんな満面の笑みされても……出てきてくださいよ……」
暁 「それよりごめんね? やっぱりあの時俺が履いてれば良かったね、スカート」
山瀬 「! い、いえ! あの、俺が履くって言ったんですから、それは全然」
暁 「彼女のために?」
山瀬 「…………」
山瀬 「……からかってるんスか?」
暁 「え? 違うってば。……あ、そういえばそろそろ薬の配達時間じゃない?」
山瀬 「あ、やっべ! すみません暁さん、それじゃあ失礼します!」
暁 「転ばないように気をつけてねー」
山瀬 「はいっ!」
暁 「それにしても彼女、色んな人に愛されてるんだなぁ」
暁 「……ふふ。独り占めするにはちょっと時間がかかりそうかも」
end.